初心者のためのデジタルデータ保存の基本 :その3 (写真管理に最適-ファイルをタグる!)

タグ

データ保存・ファイル管理シリーズ、今回はタグ管理の話です。フォルダでのファイル管理に加えてタグ管理も使うととっても便利。タグ管理は大容量の記憶装置と高速な検索機能のおかげで手軽にできるようになりました。技術の進歩の賜物ですねー。ありがたく享受しましょう。

大きな箱にぜーんぶ放り込んで、必要なものを必要な時に検索

ちょっと前までは、パソコンの記憶容量は小さく、処理スピードも今に比べたらとても遅かったのです。

フロッピーディスク

写真はフロッピーディスクという記憶メディア(データの入れ物)です。これ1枚で1MB(メガバイト)。

データを分類して、それぞれのフロッピーディスクに入れてラベルを貼って使っていました。見積書のラベルのフロッピーには見積書データを保存しておく。請求書のラベルのものには請求書データを保存。考え方はフォルダーでの管理と同じようなかんじです。

ファイルの読み込みや書き込み、検索も非常に時間がかかっていました。フロッピーディスク1枚分を読み込むことに数分から数十分くらいかかったでしょうか。

その後、技術は進歩して容量の大きい記憶メディアがいろいろと登場してきます。

例えば、音楽のCD。これ1枚で、フロッピーディスク約600枚分の容量です。最近では音楽の販売はダウンロードが主流になりつつあり、CDも減ってきています。

ちなみに今のスマホは容量の小さなものでも128GBはあります。(注:1GBは1,000MB)CD200枚分のデータが入りますし、フロッピーディスク128,000枚分!のデータが入るのです。ファイルの読み書きや検索のスピードも超速くなってきました。

そのような技術の進歩とともに、ファイルの管理方法も贅沢な!乱暴な!でも、すごい便利な方法が考えられました。それは、

1つの大きな箱にぜーんぶ放り込んで、必要なものを必要な時に検索して、引っ張り出す方法。

大きな箱にただ放り込む

おもちゃ箱

とても大きなおもちゃ箱にすべてのおもちゃをただ雑然と入れておくイメージ。
雑然と放り込んでいても、必要なものを探し出す時間がめっぽう速いので、それでいいよーってかんじです。

箱に放り込むときには1つ1つのおもちゃ(ファイル)に「タグ」をつけておきます。

タグは、札(ふだ)のことですね。荷札とか値札とかの札です。ペットの首輪につける迷子札のようなものもありますねー。荷札には荷物の宛先や送り主を書いてますし、値札には値段が書いてます。迷子札には、名前や連絡先の電話番号などでしょうか。

タグ

ファイルにつけるタグには、そのファイルを探すときのキーワードを書いておきます。

例えば、あなたの家には、とにかくデカい「おもちゃ箱」があるとします。そこにはいくらでもモノが入る。箱というより倉庫ですね(笑)

そしてそこにはモノを探してくるスピードが超速いスタッフもいる。数千、数万個のおもちゃが入っていますが、そのスタッフはあなたが頼んだものを一瞬で探してきます。

新幹線の模型のおもちゃ

これは新幹線の模型のおもちゃです。これを今から箱にしまいます。

そのときに、おもちゃに札(タグ)をつけます。
「のりもの」と書いた札、それと「新幹線」、「電車」、「ひかり号」4枚の札(タグ)をつけておきます。

さて、ある日あなたが「のりもの」のおもちゃで遊びたい!と思いました。スタッフに「のりもの」のおもちゃを持ってきて!と頼みます。

スタッフは、「のりもの」のタグがついたおもちゃを瞬時に探してきます。
自動車、飛行機、船・・その中にはこの新幹線の模型もあります。「のりもの」のタグが付いたおもちゃをすべて探して持ってきてくれるのです。

「新幹線」をだして!とスタッフに頼むと、こだま号やのぞみ号など他の「新幹線」のタグが付いたおもちゃと一緒に出してきます。

タグ管理をイメージできましたでしょうか?

フォルダの管理だけでは探しにくい!

さあ、それではタグを使ったファイル管理をご説明しましょう!
当スクールでご受講いただいているAさんの事例です。Aさんは、自動車で全国各地を巡り、行く先々で神社、仏閣の撮影と御朱印をいただくことが趣味です。

写真はこんなかんじでフォルダで分けて保存しています。ファイル名は地名や景勝地の名称、寺院の名称です。数千枚いや数万枚はあるでしょうか・・

フォルダーツリー

ある日の会話
Aさん:この中には世界遺産がいくつかあるよー
わたし:へぇー どんなところですか?
Aさん:えーっと 例えば・・

フォルダとファイル名を手掛かりに何枚かの写真を見せていただきました。

別の日の会話
Aさん:鳥居も素材や形がいろんなのがあって面白いんだよー
わたし:へぇー どういうのですか?
Aさん:えーっと 例えば・・

フォルダを開いてファイル名を手掛かりに鳥居の写真を探してくれました。しかし、どの写真に鳥居が写っているのかは、写真を見てみないとわかりません。それらしいものを開いて、違っていたら別のものを開いてみる-そうこうしながらいくつかの鳥居の説明をしてくれました。

さすがにファイル名からだけでは、鳥居を写した写真かどうかはわかりません。写真を開いて見てみないとわからない。ファイル名が「〇〇神社」では、建物の写真か、鳥居の写真か、周辺の写真かわからないのです。

Aさんは、全国のすべての「一の宮」をめぐることも目標としています。

わたし:たくさんの写真の中から、ぱぱっと「一の宮」の写真だけを引っ張り出せたらいいですねー
Aさん:そういうことができたらウレシイねぇ

(注)一の宮・・その国(地方)で最も由緒があり、第一番に格付けされた神社。各地に地名として残っているそうです。

こんな会話をきっかけにタグを使った写真の管理をご説明しました。やりかたはすごく簡単。

Windowsの標準機能でタグをつける

  • エクスプローラを開きます(→エクスプローラの開き方はこちらの記事をどうぞ
  • 上のメニューの部分「表示」を選択して、「詳細ウィンドウ」を選択します。
エクスプローラのメニュー
  • タグをつけるファイルを選択(マウス左ボタンを1回クリック)
エクスプローラの画面表示
  • タグの追加」をクリックすると、そこでカーソルが点滅して入力できる状態になります。
    「鳥居」「一の宮」の2つのタグをつけてみます
  • 鳥居 と入力して スペースキーを押す。 「鳥居;」と表示され次が入力できる状態になります。
  • 続けて、一の宮 と入力してエンターキーを押す。
    タグのところに 鳥居;一の宮 と表示されます。これで完了。
エクスプローラでのタグの表示

タグは複数つけることができます。スペースキーで続けて入力。終わったらエンターキー
これでタグ付けは完了です。

※Windowsの標準機能では、Officeのファイルや画像、動画にのみタグをつけることができます。すべてのファイルにタグをつけることができるわけではありません。Windowsファイル管理の基本は階層でのフォルダ管理です。タグを使うことで、更に管理しやすくなります。

タグ管理でできること

大きな箱からパパっと検索

指定した箱(ストレージやフォルダ)の中からパパっと検索してくれるのが、タグ管理のメリット。

指定したフォルダの中から探し出してくれます。

フォルダーツリー

たとえば、このようなフォルダ構成で写真を探そうとした場合に、「202307大分」の中に写真がありますし、「202205_山口」の中にも写真があります。

検索場所を「旅の記録」フォルダを指定すると、その中にあるすべての写真を検索してくれるのです。

どこに保存したのかがわからなくなってしまったときは、パソコン全体やストレージ全体での検索をするといいでしょう。(時間はかかります)

エクスプローラの検索機能で検索できる

エクスプローラの検索窓にキーワードを入力すると検索できます
そのキーワード(一部でもOK)のタグがついたファイルをぱぱっと表示してくれます。

タグを使った検索と検索結果

エクスプローラの検索のやり方についてはこちらの過去の記事を見てくださいねー
> ファイル検索のしかた (Windows)

ファイルをグループ化して表示

タグごとにグループ化して表示してくれます

上のメニューから「表示」→「グループ化」を選択して「タグ」をクリックします

タグを使ったグループ化表示の操作

こんなふうにタグでグループ化して表示してくれますよ

タグを使ったグループ化表示画面

さきほど、「一の宮」と「鳥居」のタグをつけた中山神社は、一の宮グループと鳥居グループの両方に表示されてますねー

すべてWindowsの標準機能でできます。特別なソフトウェアやお金は必要ありません。
試してみてくださいね!